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MOVIE REVIEWS

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魅せられて四月
ENCHANTED APRIL
1992年 イギリス
92分 ドラマ

監督:マイク・ニューウェル
製作:アン・スコット
製作総指揮:マーク・シーヴァス
        サイモン・レルフ
原作:エリザベス・フォン・アーニム
脚本:ピーター・バーンズ
撮影:レックス・メイドメント
音楽:リチャード・ロドニー・ベネット
 
出演:ミランダ・リチャードソン
    ジョーン・プロウライト
    ポリー・ウォーカー
    ジョシー・ローレンス
    アルフレッド・モリナ
    ジム・ブロードベント
    マイケル・キッチン

STORY
1920年代のロンドン、弁護士の夫と窮屈な生活を送るロティは、
イタリアにある小さな古城を貸し出すという広告を新聞で見つける。
一瞬で心を奪われたロティは婦人クラブで知り合ったローズを誘う。
ローズもまた、夫に愛されていないと感じていた。
費用を分担するために、2人はさら同行人を募集し、
老婦人と若い貴族の令嬢も参加することになった。
陽気に花が咲き乱れるイタリアの古城サン・サルバトーレで、
かくして4人の女性たちは1ヶ月を共に過ごすことになった・・・。


旅行することの醍醐味のひとつは、日常から抜け出すことにある。
暗くて惨めな生活の煩わしいことすべて忘れてしまえ。
旅先が外国ならなおさら、その非日常性にどっぷり浸かれる。

でもね、観光じゃない旅にはそれなりの大義名分が必要なのよ。
それなりのお金も時間も費やすわけだから、それなりの大義がね。
20世紀初頭、女性だけの海外旅行はさほど珍しくはなかったみたいだけど、
中流階級の平凡な主婦が、
"いい人間になろうと努力して何の報いが?
 昔から人のために尽くしてきて、それで人の愛に恵まれた?"
って言い分で、"藤の花と太陽"を誇るイタリアの小さな古城を
1ヶ月レンタルしちゃうなんて、ロティは変わり者に違いない。
変わり者とゆーか、子供みたいに素朴で純真な人。
自分のヘソクリだけでは払えないから同行人を募って分担しよう、
なんていかにも主婦らしい発想だけど。

イギリス人のイタリアへの憧れは根強いようで、
特に霧の都のコックニーたちは、暗くてジメジメした雨模様にうんざりなのか、
青い空、地中海の海、咲き誇る花々、なんてものに強く惹かれたんだろうか。
イタリアに限らず、アジアを含めた異国情緒ってやつに弱いのかもね。
人は自分とは異なるもの・未知のものに魅せられるんだろう。
(同時に恐怖を感じることも忘れてはならないが)

雨のロンドンと太陽のイタリアの描き方はわかりやすく対照的で、
ロティとローズがサン・サルバトーレに到着した夜の翌朝の情景には感激。
窓を開けるとぱーっと光が射し込んでくる。
眼前に広がる彩り鮮やかな開けた世界、澄んだ空気、心地良い風。
わわわー!行ってみたーい!
ここは原作者アーニムがこの作品を執筆した場所(実際の名はブラウン城)らしい。

日常から一気に解放されバカンスを満喫する主婦2人は、
望んでか望まずか、自分と夫の関係を見つめなおす。
一時的に満たされた状態だからこそ、
日常的に冷め切った夫婦関係のことを考えずにはいられないのか。
んまー最終的には、2人とも夫をイタリアの古城に呼び寄せ、
自分の気持ちに素直になることでなんとかかんとか関係を修復、
愛を再確認して幸せなカップルになって帰国するわけですが。
これじゃーできすぎです。
呼ばれた夫がイタリアにちゃんと来た時点で結末がわかるようなもの。
序盤のワクワク感がガクンと減速してしまった。
(ってかここで『テルマ&ルイーズ』みたいな非日常性を求めてもしょうがない・・・)

孤独さ故に傲慢になってしまうミセス・フィッシャーや、
うわべの美しさしか見てもらえないレディ・キャロラインの心の変化のほうが、
おもしろみがあって人間的に成長したと思える。
彼女たちはイタリアの気候に影響されたのではなく、
イタリアという土地で出会ったイギリス人の影響で、
本当の自分ってやつを発見ないし回復できたわけ。
もちろんイタリアの風土も一役買ってはいるだろうけど、
やっぱ人を動かすのは"人"なんだよ。

あとね、それぞれのモノローグがあるも良い。
特にローズが夫を呼び寄せる手紙を書くまでの葛藤やたゆたいが。
芝生に寝転がって考えたり、木陰で涙を流したり、
海岸の岩場で寝そべっている時に背中を這う1匹のトカゲも印象的。
"失望した聖女(マドンナ)の顔"って言われるのはどんな気分なのかしら。

イタリアの不思議な魔法に魅せられた小さな幸福感が漂う終わり方なんだけど、
ロンドンに戻ってからもその魔法が解けないことを祈るばかり。

残念だったのは、城以外にイタリアの街並みや建築物がなかったこと。
現地人の"ペリコローゾ(お気をつけて)"以外のエピソードが欲しかったな。

鑑賞方法:DVD/字幕
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PROFILE

yoko
♀/Aries/O type

自称映画好きによる、
超自己満足的な映画感想ブログ。

劇場よりも自宅でDVD派。
TVの吹替え映画も見るし、
海外ドラマも好き。

とりあえずいろんなジャンルを見てる。
見終わったあとに「考える」のが好き。
わたしなりの解釈や感性で、
思うままに感想を残してゆきます。

エントリー150本達成!
よーし、次は目指せ、200本!
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