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MOVIE REVIEWS

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リプリーズ・ゲーム
RIPLEY'S GAME
IL GIOCO DI RIPLEY
2002年 イタリア/イギリス/アメリカ
110分 サスペンス/ドラマ
日本未公開

監督: リリアーナ・カヴァーニ
製作: サイモン・ボサンクエット
     リカルド・トッツィ
製作総指揮: マルコ・キメンツ
         ロルフ・ミットウェッグ
         マーク・オーデスキー
         ラッセル・スミス
原作: パトリシア・ハイスミス 『アメリカの友人』
脚本: リリアーナ・カヴァーニ
     チャールズ・マッケオン
撮影: アルフィオ・コンチーニ
音楽: エンニオ・モリコーネ

出演: ジョン・マルコヴィッチ
     ダグレイ・スコット
     レイ・ウィンストン
     レナ・ヘディ
     キアラ・カゼッリ
     ハンス・ジシュラー
     パオロ・パオローニ

STORY
有名画家の贋作売買で大金を手に入れた悪名高きトム・リプリー、
今では引退して、イタリアで美しい妻と優雅な生活を送っていた。
あるとき、以前の仕事仲間リーブスが彼の屋敷を訪れ、
リプリーにベルリンで人殺しの依頼を持ちかける。
自分は殺し屋ではないと断ったリプリーだが、
やがて人殺しをさせるのにぴったりの人物を見つける。
それは彼の屋敷に出入りする額縁職人ジョナサンで、
骨髄性白血病で余命といくばくもないと宣告されていた・・・。


リプリーの原作ってシリーズ物だったんですね。
アラン・ドロンの『太陽がいっぱい』しか知らなかったもので、
リプリーがジョナサンの人生をどう奪い取っていくのか、
どーも設定がおかしいなぁと思っておりました。

そしたら、『太陽がいっぱい』とは違う原作で、
悪事から手を引いて年を取ったリプリーのその後のお話だったようです。

地味なんだけどね、わたしは好きです。良作だと思う。
ジョン・マルコヴィッチの落ち着いた演技に引き込まれていきました。

そう、トム・リプリーは悪名高き冷酷な男。
人を騙し、邪魔するものを殺し、誰も信用しない。
私欲のためなら手段を選ばない男。

彼曰く、「若い頃は、良心の欠如に悩んだこともあった」らしいけど、
結局は“殺人”を”ゲーム”と考えている男だ。
自分もリーブスもジョナサンも、ゲームの駒に過ぎない。

ジョナンサンを殺人ゲームに巻き込んだのもただの気まぐれ。
生まれたての羊のようにまっさらなジョナサンの手を、
血に染めたらどうなるのか、それを見たかっただけ。

額縁職人のジョナサンは、骨髄性白血病で余命いくばくもない男、
愛する妻と幼い息子に何もしてやれないと悩む男、
迫りつつある死を恐れる男。

彼は、リプリーが仕掛けた殺人ゲームに見事にはまっていく。
いとも容易くはまっていき、いつの間にかもう抜け出せない。
愛する家族にお金を残すために手を出した仕事、
なのに一度手を出すと、今度は愛する家族を守るために、
自分自身を守るために、止めることができない。

どうやって大金を手に入れたのか家族には絶対に言えないし、
息子の目をまっすぐに見つめることもできないし、
後悔と恐怖に苛まれるうちに、
狂気染みた男気を発揮し始めるジョナサン。

リプリーは、自らジョナサンに殺人ゲームを仕掛けたのに、
彼の手助けをするために、わざわざドイツまで出向く。
理由は本人にもわからない。

気まぐれで始めたことは、気まぐれな展開を見せる。

妙な友情が芽生え始めるんだよね。
リプリーはジョナサンを巻き込まないように彼を遠ざけ、
自分で巻いた種だから自分だけで片を付けようとする。
けどジョナサンはリプリーを見捨てることができない。
彼は危険を承知でリプリーの家へ行く。妻の反対をも押し切って。

2人はそこで、初めて友達らしいことをする。
一緒に食事してみたり、チェスをしてみたり、ただ話をしてみたり。
リプリーがぽつりと自身の過去を語ったり。

彼らは互いに協力し合って敵を向かい討ち、
片付けた死体の後始末をする。
殺人を犯しそれを隠蔽し、自分のしたことに動揺するジョナサンに対し、
リプリーは平然そのもの、なんの狼狽も葛藤ももなく、
一瞬で日常生活に戻ることができる。

「恐ろしい行為をしたときに何が面白いと思う?
 ・・・数日もするときれいに忘れていることだ」

やがて、ジョナサンの身に再び危険が迫り、
リプリーが駆けつけると、銃撃戦が始まる。
銃口を向けられたリプリーを見て、ジョナサンは思わず我が身を差し出す。
これがジョナサンのリプリーに対する友情の証。

取り乱すジョナサンの妻をよそに、
リプリーは相変わらず冷静沈着、動揺しないし、嘆き悲しみもしないし、
ジョナサンの妻に唾を吐きかけられても動じない。
何事もなかったかのように、妻のコンサートに向かう。

妻の演奏するハープシコードを聞きながら、
そこでふと脳裏をよぎるジョナサンの最期の表情。
なぜ自分を庇って死んだのか?

友人を失った悲しみをそっと胸に秘めるリプリー。
ちょっとだけ人間らしい部分をとりもどしたのかな。

こうしてリプリーは元の生活に戻る。
妻を愛し、ピアノを弾き、料理をして、裁縫もして、
穏やかで平和な生活に。

この作品の一番のクライマックスは、
リプリーが友人の死を悼むその一瞬の心の動きなんだと思う。

ヨーロッパの情景の素晴らしさも一役買い、
城のような豪邸と庭園、西洋絵画の壁画も趣があり、
ハープシコードのBGMも雰囲気あります。


鑑賞方法:DVD/字幕・吹替
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PROFILE

yoko
♀/Aries/O type

自称映画好きによる、
超自己満足的な映画感想ブログ。

劇場よりも自宅でDVD派。
TVの吹替え映画も見るし、
海外ドラマも好き。

とりあえずいろんなジャンルを見てる。
見終わったあとに「考える」のが好き。
わたしなりの解釈や感性で、
思うままに感想を残してゆきます。

エントリー150本達成!
よーし、次は目指せ、200本!
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